2011年8月24日水曜日

メタルジグに慣れた魚の攻略法  [パパ大津留]

 


私の住む八丈島にはカンパチやヒラマサは多い。
しかし、そんな島であっても周年を通して、そんな魚が活性する訳ではない。
特に黒潮本流が近くを流れる島で、その蛇行の仕方で海水温が変わり、
それによって魚の着く場所や水深が変わる。
我々は、一般的に小型のカンパチやヒラマサはリリースをする。
それは、ルアーフィッシングのターゲットになる魚を減らさない為には大事なことだ。
特に産卵能力を持たない小型魚をリリースする事は、そのフィールドの環境維持には重要な意味を持つ。
そして、このリリースは、そのフィールドの魚を減らさない事に繋がるが、
更にゲーム性を高める事にもなる。
例えば、リリースされた小型魚の入った群れは極端にナーバスになり、メタルジグに対して敏感になるのだ。
一尾が警戒感を持つことで、群れ全体がメタルジグに敏感になる。
そんな中で、その群れの大型魚を活性に導く為には、ルアーの泳がせ方、
ジギングでのジャークテクニックが大事になる。
メタルジグを警戒する群れであっても、そのルアーの泳がせ方次第では、
急にスイッチが入る事もあるのだ。
最近、私が多用するテクニックでフラップジャークと言うのがある。
それは腕を前に出し、ロッドを大きく、ユッタリと振るスタイルだ。
それは、そのテクニックを一辺倒でやるのではなく、細かいハイピッチのショートジャーク
と組み合わせたり、早いハイスピードジャークとのコンビネーションで用いる事が多く、
それらの組み合わせで、ヒットの確率が上がる。



先日も、セミナー用のジギング映像を撮る事になった。
この時期の八丈島は高水温であることから、狙いのカンパチは水深150メートル
200メートルの深場である。当然、使うメタルジグは300350gと大型で重い。
ただ、ディープゾーンであっても、黒潮本流が近く、透明度が20メートル以上と
高い状態であるから、それは活性の低い状態が続く。
そんな渋い中で、結果を出す為には、早朝から長時間ロッドを振り続け、
活性する時間とタイミングを計り、少ないチャンスを生かさなければならない。

まず、潮の流れと言うのは、大概は一定方向に流れる。
その中で、黒潮の蛇行の仕方や、潮の満ち引きによって、その流れが変わる。
それが潮変わりだ。そして、この状況で大事なのは、一旦は潮の流れが止まり、
その次に動き始める、その動き出しを捉える事だ。
その時間帯が、魚の活性を導き出す時間であり、それを『時合い』という。
この日も、延々とメタルジグを振り続けるが、中々ヒットに繋がらない。
しかし、昼頃になって潮が止り、そこから徐々に潮が動き出す。『時合い』である。
そこで、メタルジグをアピールさせる為に、着低からハイスピードで10メートルほど巻き上げた。
そこから更にハイピッチのジャークをリールで20回転ほど、その後でユッタリとしたフラップジャークに切り替える。
それは、派手に動くメタルジグに興味を示し、追いかけてきたところで、
今度はユッタリと泳がせて、ルアーを泳ぐ魚に見せて食い付くチャンスを与える。そんなイメージなのだ。
更に、透明度の高い状態では、あまりにもメタルジグがリアルに見え過ぎて、魚が警戒してしまう。
そんな時は、派手に早巻きしてから、ショートピッチのジャークで、
その早いスパイラルな泳ぎだけで食わせるテクニックもある。
早いリアクションでバイトさせる狙いだが、今回のカンパチは、何れもその2つのパターンで食って来た。

大事なのは、メタルジグの動きを通して、活性する潮の流れを読み取ること。
それと、その時の活性の仕方で、ジャークパターンを組み替え、スレさせない事だ。
その為には、そのジャークパターンの中で如何にメタルジグを泳がせるか、それがテクニックである。



圧倒的に、鉛素材の多いメタルジグだが、ネーチャーボーイズのメタルジグは環境負荷の少ない鉄がマテリアルである。そして、この鉄ジグは比重が軽い分、良く泳ぐジグだ。
今回は300350gと重いものを使用したが、それが苦にならないぐらい良く泳ぐ。
今回、超大型とは言えないが、メタルジグに慣れて、活性の上がらない夏のジギングでも、
610キロサイズのカンパチを7尾ほど釣り上げた。
それは鉄のジグ、スイムライダーの泳ぎから生まれたテクニックと考えている。
この、スレた青物に対するテクニックは、その地域に合った柔軟さは要るが、
なにも八丈島にだけ特化したテクニックではない。
それぞれの水深にイメージを重ね合わせ、試してみる事で結果が出せると思っている。


2011年8月20日土曜日

東京湾シーバスゲーム  [窪田浩行]

状況が厳しいと言われる夏の真っ只中、
東京湾へNEWルアーの最終テストに行ってきました。

夕方のニュースが東京23区で今年一番の気温を記録した、木更津で風速20mを観測した、
午後から大雨雷警報が発令、午後に福島で震度5の地震が、
とアナウンスした日に私と東京ブランチの鳥澤は羽田沖に浮かんでいました。
厳しい夏の中で、一番過酷な日をテスト日に選んでしまったようです。


当日はやはり高水温の為(27〜29度)、運河や河口周辺は可能性が低く
沖へ沖へと少しでも水温の低いポイントを探すことに。

羽田D滑走路から風の塔の間で,広範囲に鳥山が立っています。
しかし、ヒットしてくるのはセイゴばかり。風の塔周辺もセイゴが中心です。






小さいサイズに見切りを付け、ポイントを川崎沖へ移動。




沖の防波堤や、バース周り等でグッドサイズが連発しました!





潮と風の当たる場所、シェード、この3点がこの日のキーでした。
やはり夏は高水温がたまる場所は厳しいようですね。
結果として、セイゴから70アップまで、
過酷な夏の日に想像以上に魚が釣れたことに驚きです。


"ブリコ・BURIKO" と名付けられた今回のテストルアーは、
水面のシャロー引き、カウントダウンからのアプローチと
様々な状況に対応出来ることを再確認。
10月に発売開始です。ご期待下さい!







今回ガイドをお願いしたのは、東京蒲田のバスメイトさん。
徳永兼三氏自らハンドルを握って下さいました。



秋になり、水温が下がるとメインシーズン開始です。
是非、ブリコと一緒にトライして下さい。

バスメイト
03−3735−0200
http://www.bassmate.co.jp

今回の使用ロッドは、Taper&Shape社の”Bay Heart”。
シャープなキャスト性能としなやかなベンディングを併せ持った
使って気持ちの良いロッドでした。




ブリコは、Nature Boys初のシーバスをメインとしたライトキャスティングルアーです。


一見するとテッパンを加工しただけの簡単な作りに見えますが、
複雑な曲線が入り交じった,ミリ単位の設計の上に完成しています。
一番の特徴は、レンジキープできると言う事です。
金属系ルアーは今までジグやスプーンが存在しましたが、
欠点はスイムレンジをキープ出来ないことでした。
早く巻けば浮き上がる、ゆっくり巻けば沈んでいく。
シーバスフィッシングでは、点でポイントを攻めれても線の攻め(レンジ)には
不向きであったのは紛う事なき事実です。このジレンマを解消しました。

さらに、構造体はテッパンのみなので耐衝撃性能が格段に高く、
ストラクチャー等にぶつけまくっても泳ぎが乱れることはありません。
ボディ形状から根掛かり頻発のシャローゲームにも強く、
陸っぱりのシーバスやヒラスズキ、ヒラメにも抜群の実績を出しています。


2011年8月16日火曜日

相模湾のキャスティングゲーム   [中島勝則]





連日の猛暑で人間の活性は下がり気味!?
だが、相模湾の魚の活性は上々であるようだ。


/7日、私も所属するクラブの例年行事として
10人で横須賀市・長井の「鈴清丸」に行ってきた。
相模湾のシイラゲームと言えば「すれっからしのシイラをいかに攻略するか」
がイメージされると思うが今年は違う。
魚の数も活性も高く「飽きるほど釣れる!?」との前情報で、
キメジやキハダマグロさらには黒マグロまで釣れている最高の時期に
釣行することができた。

マグロのナブラが出るのは太陽が高くなる10時頃からなので、
それまでの時間はシイラに遊んでもらうことに・・・。
潮目に沿って船を進めて行くとシイラの姿を目視できる。
通常ならキャスト開始となるのだが今年は違う。
目視できるサイズが80センチ級の場合はパスして、さらに大きなサイズを探す。
メーター級の時だけキャストする流れだ。なんとも贅沢なシイラゲーム!





メーターオーバーを1人3本ほどキャッチしてとりあえずシイラゲームは終了。
次のターゲットのために鳥山&ナブラを待つ。
船長の予想どおり10時頃から鳥が増えてきた。
鳥山を発見してスロットル全開、いわしボールにキメジがボイルしている。
スイムライダーショート80gをいわしボールの中ゆっくりフォールさせると早速ヒット。
3~5キロサイズのキメジが連続ヒットして船上はお祭り騒ぎになる。





さらに大きな魚を狙って鳥山を探す・・・とさらに大きな鳥山を発見。
今度は30キロ級のキハダ、100キロオーバーの鮫がボイルしている。
船上の興奮もピークに!
同船者2人がヒットさせて1本キャッチすることができた。
残念ながら、もう1本はもう少しの所でフックアウトしてしまった。





と言う訳で今年の例年行事「相模湾キャスティングゲーム」は大盛況で終了することができた。